今年のビエナル・デ・セビージャの素晴らしいポスター

 数時間前にセビージャ市役所にて今年のビエナル・デ・セビージャのイメージを表す

ポスターが発表され、会場は多くのアーティストと関係者で溢れていた。


ポスターはミケル・バルセロにより描かれたもので、歴代のポスターの中でも上位に

入る素晴らしい出来だ。(過去のポスターについてはこちらのリンクから

)≪enlace≫彼の作品は非常に人気で、今回もミケルはこのフェスティバルに相応し

い尊厳のある作品を残してくれた。他のフェスティバルとの核の違いを示すかの如く

、見事に看板を飾る作品だ。


今回のポスターは、現代のセビージャにおける欲に傑出したアーティストであるミケ

ルが2007年の闘牛シーズンのためにマエストランサ闘牛場に描いたポスターを彷彿と

させる。


よって今回の作品に異議を唱えたい箇所は全くなく、発表の場での紹介の際に積み上

げられた期待値を十分に超えたもので、我々の心をとらえた。セビージャ市役所、市

長、また今年のビエナルの芸術監督であるルイス・イバラ氏を祝福したい。

ただ、ポスターと共に核となる公演がいくつか紹介された。ポスターが素晴らしかっ

ただけに、一歩前進するような、ワックスでさらに磨きをかけるような、本当に他の

年との差を見せつける、特別な回になることを期待したが、あまり変わり映えの無い

印象だった。


著名アーティストの名前がいくつか挙げられた。カンテの公演では、ホセ・デ・ラ・

トマサ、エスペランサ・フェルナンデス、ホセ・バレンシア、ラファエル・デ・ウト

レラ、ダビ・パロマール、グアディアナ、ファビなど。バイレではイスラエル・ガル

バンがマエストランサ劇場で「カルメン」の公演を、ファルキートはカンテをメイン

にした一度限りの公演を、その他エバ・ジェルバブエナ、マヌエル・リニャン、ホア

キン・グリロ、マヌエラ・カルピオなども名を連ねた。またパトリシア・ゲレーロ監


修のアンダルシア舞踊団の最初の作品や、ドランテス、新作アルバム「ネルハ」を引

っ提げたラファエル・リケーニ、ペドロ・シエラ他、多くのアーティストの参加が発

表された。


アウロラ・バルガス、マヌエラ・カラスコ、カリスト・サンチェスなど大御所の公演

もあり、またハビエル・バロンとロサリオ・トレドやエル・ペレ、アントニオ・カナ

ーレスとアントニオ・ロドリゲスなどのコラボ公演なども見所だろう。


ジャンルの垣根を超えたフラメンカなトレメンディータはカイータと共演。ホセ・マ

リア・ガジャルド、パコ・ハラーナ、ラファエル・エル・カベサのギター公演。ライ

ムンド・アマドールとカラカフェ、マカニータ、イネス・バカン、ペドロ・リカルド

・ミーニョ、ヘスス・メンデスとマリア・テレモト、プリリとカンカニージャなども

公演予定。


セビージャのアーティストのみならずへレスからはフアナ・ラ・デル・ピパやエセキ

エル・ベニテスも参加。


マヌエル・デ・ラ・トマサ、レラ・ソト、エル・トゥリ、ペレーテ、フロレンシア・

オズ、パウラ・コミトレ等、若手アーティストも公演予定だ。


またアルカンヘルやミゲル・ポベダなど、近年の作品はフラメンコから逸脱したもの

もあり賛否両論ではあるが、注目のビッグネームとして鳴り物入りで紹介された。


フラメンコ愛好家としては、プリリ以外にもカディス近郊のアーティストや、新作の

アルバムを発表する予定のパキ・リオスなどの名が見られず惜しまれるところだが、

もちろん今回のプログラムにも十分なほどビッグネームが揃っている。


ポスターとプログラム発表の場はダビ・デ・アラハルのパフォーマンスにより締め括

られた。彼も公演予定なので、見逃さないようにしたいところだ。


さて今年のビエナルはフラメンコらしさを本当に取り戻すことが出来るのか。このチ

ラシはその警鐘を鳴らしたようだった。

文:ホセ・カルロス・カブレラ・メディナ

訳:瀬戸口琴葉

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