ペーニャ・トーレス・マカレナでのライブの素晴らしい第二部では、フアン・デ・フアンは期待を裏切らなかった。この一文に昨晩トリハノ通りでの我々の体験を要約出来るだろう。彼独特のスタイルを貫き、類まれなスピードと瞬発力によるサパテアードとコンパスの天才である。
しかしフアン1人ではなかった。ロマン・ビセンティの見事なギターが際立っていた。踊り手にプレッシャーをかけ過ぎることなく、時には盛り上げ、時には静かに、踊りに寄り添うギター。そして一番重要なのは、マイク無しという環境で、はっきりと澄んだ音色を奏でること。開演直前の通り雨の影響で、その日ロマンはスニーカーでの登場であったが、そんなことを気に掛けるのさえ忘れさせる演奏であった。
ライブは美しいグラナイーナのギターソロから始まった。
カンテにはミゲル・ラビとダビ・エル・ガジ、同じ方向性を持ちながらも全く別々の個性の持ち主たち。ラビは常に彼の独特な声の響きを与え、ガジはフアンの踊りへほとばしる情熱を与える。そして二人はタラントを歌い始め、ラビのカンテは少し急いだようだった。そこからタンゴに繋げ、トップスピードでやって来る「新幹線」へバトンを渡した。
フアンのあり余るスピードは器械体操のバク転や「フラメンコ・ロンダート」を見ているようで、スペースが足りないようだった。
観客に息をつかせる間もなく、第一部は終了。
第二部は、前述のとおり、より仕上がっていた。フアンは自分のベストを出すのみならず、全体を調和させていた。カンテソロではアレグリアスが歌われ、フアンはソレア、ソレア・ポル・ブレリア、ブレリアをノンストップで、息継ぎも無しに踊った。鍛冶場の絶え間ない金づちの音のような彼の足音。凄まじかった。
ライブの最後のフィン・デ・フィエスタでは弱冠16歳のヤイサ・トリゴや、フアンとの「死闘」ブレリアで締め括ったトロンボの姿が印象的だった。
もちろん、フアンはオーソドックスからは外れた動きさえも許す独自のスタイルへ辿り着き、その踊りを完ぺきに修得している。以下のビデオで当日の様子を体感できることと思う。
*この状態で息継ぎもなく3分間踊り続けた。
概要:
2023年6月2日
ペーニャ・トーレス・マカレナ
満席、観客訳180名
文:ホセ・カルロス・カブレラ・メディナ
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